屋台婚
屋台は隣合ったお客さん同士の出会いの場でもある。
話してみれば同郷だったり、同じ目的で福岡を訪れていたというのはライブなどが開催されるときには多く見かける光景。
そうやって出会った男女が結婚した、という話は、長年屋台の営業をしてきた屋台の”母ちゃん”に聞いたことがある。
今回、中洲十番からもついに一組目が誕生した。
二年半ほど前に、ひとりで立ち寄ってくれた彼。熊本在住。
地方路線のエアラインのパイロット、フライトで福岡へ。
偶然、マラソンの話になり、当店キャストの地元長崎・五島の”菜の花マラソン”の話。
一緒に走ろうと行くことに。
その一ヶ月後、成田へのフライトが現地の悪天候で欠航になり、福岡泊になり、閉店間際に来店した四人のCA。
花形職業なのに出会いがないという。千葉在住。
そういえば、この間、同業の誠実な男性がいて、という話になり。
日程を合わせてもらって、その後も度々来店してもらう。
五島のマラソンに応援に行ったり、来てもらった夜がたまたま大濠公園の花火大会だったこともあった。
そして、昨夜の来店。
結婚の報告に来てくれた。
彼は、飛行機種ごとに必要な新たな機種の免許を取り、航空会社を転職。
遠距離を乗り越え、今は彼女と同じ航空会社で、地方便から現在は国際線も飛ぶパイロットに。
彼女は彼の操縦する機内でアテンドすることもあったらしい。
出会いは人生を変える。
二人は婚姻届の提出に出会いの場所、福岡市博多区の役所を選んだ。
提出の前夜、どうしても来て報告したかったと来店してくれた。
ありがとう。
おめでとう、ずっとお幸せに。
そんな二人に立ち会えてよかった。
当屋台の従業員はお客さんの一夜の思い出のキャストであり続けたい。